朝里川公園と遊歩道の桜病害調査と手当
2019年11月4日(月)午前9時から新光にお住まいの樹木医・豊田栄先生と一緒に、朝里川公園と遊歩道の桜の病害調査と手当を行いました。14名が参加。
最初に朝里川公園内の小公園に2002年最初に植樹した14本を点検。春には桜が咲いたのですが、7月に管理番号3番と4番のエゾヤマザクラが突然落葉、その後回りの樹々も同じ様に葉を枯らしてしまったため、胴枯病が蔓延したののかと心配していました。ここの木はまちづくりの会が最初に植樹をし、状態良く大きく育った桜だったので、会員も皆とても心配していました。
豊田先生に1本ずつ症状を見ていただいたところ、大半は今夏の猛暑で水枯れしたらしいとのこと。樹木は自衛策で葉を落としたので、来春はもしかしたら余り花はつかないかもしれないけれど、生きているので大丈夫です。全体的に体力が落ちているかもしれないので、木の根回り(幹から2メートル位先)にゆっくりと効く肥料を埋め込むことにしました。
ただ3番の木だけは胴枯病と診断され、手当は難しそうだとのお話でした。他の木が弱っていると病気が伝染することもあるので、この木は諦めることにしました。この小公園の桜の手当は、次回11月9日(土)に行います。
次に新光南会館側へ移動、遊歩道の259番エゾヤマザクラを点検。この木は3年前から花のあとすぐに落葉して元気がなく、今春はとうとう花が咲かなかったものです。先生も今シーズン観察を続けてくださっていましたが、幹や枝にこれといった病気の原因が見当たらないので、根頭がんしゅ病を疑って、今回みんなで、根回りを掘り返して見ることにしました。この木も17年前に植樹したものです。
皆で手分けして根回りを掘ってみると太い大きな根が、曲がりくねって現れました。もともと石だらけの土壌なので、根が石に阻まれては方向を替えて伸びたためでしょう。小公園で、施肥は2メートル先あたりと説明を受けた時は、随分遠いなぁと思いましたが、こうして根の張り方を観察すると2メートル以上あるのがわかります。
しかしながら、心配された根頭がんしゅ病は見つかりませんでした。それで出来るだけ石を取り除きながら埋め戻しました。先生は「原因は特定できませんでしたが、がんしゅ病ではありません。ただ水や養分を取り込む細い根が普通より少なく感じられたので、もう少し養生してやって、肥料も適時与えて様子を見てみましょう」と判断されました。
見本園内の記念碑の奥にある「紅豊」も、少しずつ弱ってきて花つきが悪いような気がしていたので見て頂きました。こちらは明らかに根が切断されて地表にむき出しになっている箇所がいくつかありました。「この木は丈夫なので、切断された根先からももう新しい根が生えてきています。根も切り口をきれいにしてトップジンを塗って、表土で覆ってやるといいですよ」と言いながら作業していた豊田先生が、突然その根を掘り出して無造作に引き抜いたのでびっくりしてみていたら「これはがんしゅ病かと思われます」と。直径10センチくらいのコブ状になった根がありました。「思わぬところで発見されましたね」と一同で観察。浅利先生作出の紅豊は見本園内のシンボルツリーなので、病気が見つかって手当できて何よりでした。
その後も、関山の根本にもがんしゅ病を見つけ切除、また文学碑近くのコヒガンに発生していたてんぐ巣病の枝も切除しました。
今回は植樹して17年の大きな木の点検でしたが、枝が混み合っていて、擦れたところから病原菌が入ったり、日当たりが悪くなって花つきが悪くなる可能性もある事が指摘されました。大きく育ったから安心というものではなく、ずっと気配りして管理する大切さがよくわかりました。
来年の課題として、背丈のある木の枝先のテングスや、不要な枝払いを、雪解け前の3月に(雪に埋まって手が届く時に)実施すること、花が終わってリバフェスで忙しくなる前の6月に施肥をすることを検討したいと考えています。
11時に雨が降り始めて作業終了しました。豊田先生ありがとうございました!